災害が発生し、電気やガス、水道をはじめとしたライフラインが止まってしまった場合に備えて、日頃から飲料水等を備蓄しておくことが大切です。また、自宅が被災した場合は、安全な場所に避難して生活を送る場合があります。避難所での生活に必要なものはいつでも持ち出せるよう、防災バッグにまとめておくと良いでしょう。
必要な備蓄量の目安は、農林水産省のサイト等でも紹介されていますが、一般的には「最低でも3日分、できれば1週間分」の備蓄が必要と言われています。その一方で、令和6年能登半島地震では、発生から1ヵ月たった今でも断水が続いている地域があり、1週間分でも足りないケースがあるため、自分が住む地域の特性に合わせて必要な備蓄量を見直す必要があると思います。
今回は、一般的な備蓄量の目安と、備蓄量を見直す際の考え方についてご紹介します。
自宅に備えておくべきものの一例
災害時に急いで避難しなければいけない場合、あまり多くのものを持ち出す余裕はありません。事前に“避難をする時に持ち出すもの(非常持出品)”、 “避難生活に必要なもの(非常用備蓄品)”を用意しておきましょう。
- 避難をする時に持ち出すもの(非常持出品)の例
上記はあくまでも参考情報ですので、各家庭環境に合わせた用意をする事が大切です。
- 避難生活に必要なもの(非常用備蓄品)の例
飲料水・食品は安価で入手しやすいものを、定期的に買い替えておくとよいでしょう。また、防災のために特別なものを用意するのではなく、できるだけ普段の生活の中で利用されている食品等を備えるようにしましょう。
一般的な“水”の備蓄量の目安は?
今回は水をテーマに目安を紹介します。水は一人あたり最低3日分を目安に用意しておきましょう。
また、今後訪れる可能性のある南海トラフ巨大地震等の大規模災害発生時には、「1週間分の備蓄」が望ましいとされています。
ここで注意が必要なのは、これが飲料水の目安である点です。普段の生活で使う水としては、炊事洗濯やお風呂、トイレの水など色々あり、これらも考慮すると、避難生活では更に多くの水が必要になる可能性があります。※一方で、必要な水を全て自分一人で備蓄するのは難しいと思います。自分が住む場所(マンションや自治体、等)の防災対策や防災備蓄の状況についても併せて確認しておくと良いでしょう。
備蓄量を見直す際の考え方
先ほど紹介した備蓄量は、あくまでも目安です。例えば、以下のような場合では、救援物資が届かず、自助で避難生活を送る期間が長期化する傾向があるようです。
- 道路や橋が損壊し配送できない
- 携帯電話等の連絡手段が使えず、必要な物資をオーダーできない、等々
特に、1点目の被災地域への物流の要になる道路網の被害状況が課題になるケースが多いように感じます。もし、自宅がある地域が、“市街地から遠い”、“自宅までの道が限られている(迂回路が少ない)”などの場合、備蓄量は1週間では足りない可能性があります。
自分が住む地域の特性に合わせて、必要な備蓄量を増やしたり、お風呂の水を普段から貯めておいたり、雨水を大きなバケツに貯めておいたりなど、生活用水に使える水を別途確保しておく等の工夫をしておくと良いでしょう。
さいごに
近年、温暖化の影響等で自然災害の数が増えています。防災意識を高め、事前に備えることがとても大切です。今回紹介した目安をベースに、自分が住む地域の特性に合わせて、必要な備蓄量は適宜見直しましょう。